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先日中学3年生になる娘と一緒に本屋に立ち寄りました。彼女は夏休みが始まっており、文学にいそしもうと何冊かの本を選んでいました。

その中に太宰治の人間失格が含まれていました。家に帰ってから、ふと懐かしく手にとって読み出しましたがはまってしまい!結局最後まで読み終えることになりました。私自身も確か中学3年?で読んだように記憶しています。

しかし細かい内容は忘れており、再び読み返してみるとまた違った観点から見ることができたのではないかと思います。


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内容はご存知の方も多いかと思いますが、主人公の大庭葉蔵は、東北の片田舎に生まれ、非常に多感な少年時代を過ごしていました。彼は生来の本質は包み隠して、道化を演じることにより周囲の友達、大人たちから可愛がられる術を身につけていくようになります。しかしそのことをひとりのクラスメートに見破られ、痛くそのことを気にするようになります。何とか彼にも取り繕うことによってみんなに暴露されることもなく、自分の本性を親、兄弟をはじめ周囲には隠しとおすことができたわけですが・・・。


感想としては私の幼少期はこのような複雑な自分は存在せず・・・随分ませた?神秘的な子供であるとの認識です。


その後葉蔵は成長とともにその本性が変わることなく、感情の起伏もなく、一種冷徹な性格を持って学生時代を過ごします。しかし事実と反し、周囲からは非常におちゃらけて面白い子であると思われ人気者であったわけです。当時将来は画家として生計を立てつもりでいましたが・・・・実際には決して一流とはいえない漫画家となるのです。さらに悪友の堀木の誘いなどで徐々にお酒、女などの大人の遊びを覚えていくようになり堕落の一途をたどり・・・・・自殺も何回か繰り返した挙句、最後はアルコール中毒、モルヒネ中毒で精神病院に送り込まれることになります。そこで葉蔵は自分が"人間失格"であることを悟るのでした。時に葉蔵28歳のときでした。


太宰の代表的作品であるこの人間失格は版を重ねて600万部以上売れて、読み継がれているそうです。これは夏目漱石の”こころ”と常にトップを競っており、日本文学史上最高傑作のひとつと考えられています。

もし皆さんも”昔読んだな〜”と思われていても、是非・・時を隔てて一読されることをお奨めします。やはりその心理描写、心の葛藤など名作と謳われる所以が中学時代にわからなかったのですが・・・見えてきますね。


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次はヘッセの"車輪の下”を読もうと思っています。これも中学時代にえらく感動した作品でした。


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コメント

『ヴィニョンの妻』が映画化されますね。

太宰はその時代によって、作品の色が変わって本当に面白いです。

私は『人間失格』など晩年の作品よりも、西洋文学や聖書のからのパロディを描いていた中期の作品が大好きです。
未だに『新ハムレット』や『駆け込み訴え』などの短編小説は、そのセンスと独創性に諸手を叩いて感激してしまう、本棚の殿堂入り作品です。
明治というか、江戸というか、「ちょいと、お前さん、お待ちなさい」的な表現が、海外を舞台にした場面展開に用いられると、妙に崇高で、お洒落な亜空間を作ってくれます。
日本独自のモダンセンチュリーは、太宰作品の中に結実しているという感覚さえ覚えます。

本当に自分で言葉を創る、現実とは表裏一帯の亜空間を描くという業においては、最高峰に位置する作家ですね。

今年は生誕100周年。
太宰治のブームが起きる事を予想しています。

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