ー世界一の映画館と日本一のフランス料理店を山形県酒田に作った男はなぜ忘れ去られたのかー岡田芳郎著(講談社)
本日は最近読んだ本の中で感銘を受けた本を紹介致します。まずはじめにこの本のタイトルの長さに眼がいきますね。タイトルは面白そうであり、書評でも好評であったため読んでみました。
主人公は佐藤久一で1930年、山形県酒田市に生まれました。父は酒田市議会議長を務めた久吉で、いわゆる両家の息子として生まれたわけで、その後20歳で映画館"グリーンハウス"の支配人となり、この小さな田舎町の映画館を東京に負けないような映画館に成長させていきます。
34歳で上京し、日生劇場に勤務するのですが、食堂課に配属され、自身の意思とは違いましたが、興味を持つようになりフランス料理の世界に引き込まれていきます。以降37歳時に酒田に戻り、"レストラン欅”、”ル・ポットフー”の支配人を務めたのですが、たゆまぬ努力により、自信を持って提供したフランス料理は客たち(東京からも多くの著名人がわざわざ足を運んだようです)の高い評価を受けるようになったのです。
晩年は体調を崩し、お酒におぼれて最期は1997年食道がんでこの世を去ることになります。さまざまな人との出会いがあり、持ち前のおもてなしのセンスを生かして名声を得た久一ですが、商売的には決して成功したとはいえませんでした。
一度読み始めると引き込まれるように読破できると思います。久一はすごく魅力的で優しい人間であり男としても惚れてしまう・・・・そんな主人公です。
